マホメットはいなくなっていた


本日、世田谷区は不燃ゴミの日。
表に出ると、アパート前のゴミ捨て場に絵が捨てられていた。半透明、蛍光グリーンのプラスチック素材のようなものに絵の具で描いてあって、とても安っぽい感じの肖像画



特に上手いわけでもなく、白目を剥いていて怖いので、持って帰って家に飾る気にもならないけれど、捨てられるのかと思うと何か気になり、写真を撮っておくことにした。





僕が写真を撮っているとアパート前の家に住んでいるおばちゃんが話しかけてきた。どうやら僕が描いたものと思ったらしい。
「誰が描いたんですかね。白目剥いてますよ」と僕が言うと、おばちゃんは「アラブ系よ、マホメットなのよ」と言った。





目を入れてみた。




夜中2時頃帰ってくると、マホメットはまだそこにいた。予想はしていたが、不燃ゴミで回収されなかったのだ。そのままにしておいて、ツタヤで借りていたDVDを返却して帰ってくると、その2、30分の間にマホメットはいなくなっていた。
誰が持って帰ったんやろうか。
夜中、街灯に照らされて佇んでいるマホメットはかなり不気味だった。