蛇崩緑道と写真家と10円


深夜2時過ぎ、中目黒から蛇崩緑道を歩いて家まで帰る。


街灯もまばらな暗い緑道の途中、地面にうずくまって何かを探している男性がいた。
コンタクトレンズでも落としたのかと思い、ちょうど自転車に付けるライトがポケットに入っていたので、「僕ライト持ってますよ」と話しかけると、「あ、大丈夫。10円落として今みつけた。ありがとう」と言って立ち上がり、振り向いたその人の顔を見て驚いた。
うずくまっていたその人は僕が好きな写真家だった。


途中まで一緒に歩き、少し話しをさせてもらい、別れた。







その写真家はもうすぐ写真集を出す。