葉書とメール


先日CDを届けたママから携帯に何件も着信があった。仕事中は携帯をロッカーに入れっぱなしにしているので出れず、こちらからかけ直しても出ず、という行き違いが2、3日続いた。そしたらママから葉書が届いた。


・CDが全曲ちゃんと聴けたこと。
・焼いたCDをもらったその日、店でBGMに流していたら、ものすごい久し振りにその元のCDをくれたフラメ ンコの先生が店に来てくれ、なにか不思議な気持ちになったこと。
・お礼をしたいので仕事前にでもまた店に寄ってほしいということ。
・風邪はひかないように気をつけなさいということ。


が書いてあった。


店と僕のアパートの距離は数百メートルしかないのに、この葉書をママが家で書き、ポストに投函し、大きな郵便局まで回収され、地域別に振り分けられ、それから僕のアパートまでバイクで配達され、集合ポストの中で待っていて僕が手にしたという事実はとても不思議なことのような気がした。


以前、フランスに住んでいる友人から携帯にメールが来たのですぐに返信したら、さらに1分も経たないうちに返信が来た。10000キロ近く離れているのに、携帯は何の線にもつながっていないのに不思議だなぁ、としみじみ思った経験があるが、この手紙がたかだか数百メートルの距離を数日かけて来たというのもそれと同じくらい不思議な気がした。
携帯が個々にアドレスを持っていて、電波を発信も受信できることも、土地にはそれぞれ住所があって、紙に住所を書いて切手を貼っつければ届けてくれる人がいることももちろん知ってはいるけども。