フランソワーズ・ヨシコの肖像

 
 
仕事が朝方までかかってようやく終わり、次の予定が午後一番であった。寝ようと思えば2時間程度寝れる、けれどもその時の眠気は、一旦寝てしまえば普通の目覚まし時計程度では起きる自身がなかった。
 
 
寝るべきか、寝ないべきか。
やっぱり少しは寝ようと思い、これくらいは甘えていいだろうとおかんにメールを打つ。「12時くらいに電話して起こして」と打った。そういや最近電話してへんもんな、と自分に言い訳をして、畳の上に寝転んだ。
 
 
12時ピッタリのおかんからの電話で起きた。「起きた、起きた」と告げて、電話を切って歯を磨いた。うがい水を吐き出し、携帯電話を手に取ると12時05分、あと5分寝転ぼうかなぁ、と考えていると携帯電話がけたたましく鳴った。出ると「寝てたやろ〜」と、頼みもしないおかんのスヌーズだった。
 
 

 
 
朝からポケットに入れたままで出しそびれていた、少し端の折れたおかん宛の絵葉書。古道具屋で買ったピカソの古い古い、郵便番号がまだ5ケタの時代の絵葉書。「どことなくおかんに似てますね」と冗談ひとつ添えて投函。