イサオと幸江とあさひ屋のマスター

業田良家の『自虐の詩』。竹書房の文庫版で読んだ。
上巻巻末にある解説インタビューで内田春菊が、「また泣いた」と言っていたのを読んだ時には、「確かに切なくなるし、暖かくもなるけど、泣きはせんやろう」と思っていたが、ラストの4コマを無視した怒濤の展開に、思わず日比谷線の電車内で涙してしまった。


ネーミングも最高。あの無骨な男が直人でもなく、源でもなく「イサオ」で、あの幸薄そうな女がミドリでも、ハルコでもなく「幸江」でなければ絶対にあんなにもハマらないんじゃないだろうか。


すごい作品。映画版も観たくなった。
でも阿部寛中谷美紀の配役はどうなんやろう。二人とも好きな役者やけど、漫画の中のキャラクターとは全く合ってないと思う。阿部寛はヒゲの濃さだけで選ばれたような気がする。